JJCLIP01 高齢者の血圧は下げるべきでしょうか?

更新日時 2017/07/29 23:45:59

薬剤師のジャーナルクラブ第1回

HYVET STUDY

 

高齢者の血圧は下げるべきでしょうか?

記念すべきJJCLIPの第一回目の放送ですね。
仮想シナリオは・・・


 

82歳男性のAさん。以前から高血圧を指摘されていましたが、あまり病院が好きでないAさんは特に治療も受けず過ごしていました。ただ血圧は少し気になるらしく、市役所にある備え付けの血圧計で血圧を測ると毎回170/90mmHgぐらいでした。Aさんは薬があまり好きではなく、そんなものは飲みたくないと考えていましたが、最近高血圧治療を受けていた知人が脳卒中で入院してから、徐々に心配になってきたようです。
ある日、たまたま歯科治療を受けたAさんがあなたの薬局に、歯科処方箋を持ってきました。血圧のことが気になっていたAさんはついでに血圧の件をあなたに相談してみることにしたようです。「血圧が170くらいなんだけど、何か血圧に良い健康食品はありますかね?それともやっぱり病院で治療を受けるべきですかね?」とAさんが聞いてきました。

 

お知らせ:第1回 薬剤師のジャーナルクラブより引用

 

それでは、この患者の疑問に関してPECOります。

 

 82歳薬嫌いで、血圧が170/90mmHgくらいの男性

 

 何らかの介入(薬物治療や健康食品)

 

 無介入

 

 脳卒中のリスクが減るか
  (不安や死亡リスクでもいいのかも)

 

この患者の疑問を解決するための文献として
Beckett NS, Peters R, Fletcher AE, et al .Treatment of Hypertension in Patients 80 Years of Age or Older N Engl J Med.2008 May 1;358(18):1887-98PMID:18378519

 

…HYVET Studyですね、是非知っておいてほしい論文の一つだと思います。
それではこの文献を要約します。

 

P どんな人に
80 歳以上で収縮期血圧 160 o Hg 以上の高血圧症患者(3845人)

 

E どんな介入を
徐放性インダパミド1.5mg投与、目標血圧150mmHgに下がらなければペンドプリル2〜4mg追加(1933人)

 

C 何と比較して
プラセボ投与(1912人)

 

O どんな項目で評価
致死性・非致死性脳卒中

 

T 試験デザイン等
二重盲検比較試験、ITT解析、追跡期間(平均1.8年)

 

 

結果は・・・()は1000人当たりの人数
脳卒中はE群で51人/1933人(12.4)、C群で69人/1912人(17.7)
ハザード比は0.70[0.49〜1.01]
ちなみに総死亡はE群で196人/1933人(47.2)、C群で235人/1912人(59.6)
ハザード比は0.79[0.65〜0.95]

 

さて、脳卒中に対するNNTは、188人/年ですね(有意差はついていませんが)

 

ここでシナリオに戻りますが、どうですかね?
このシナリオの患者さんには、どういった対応するのがいいと思いますか?
「そんなの医師の仕事だろ?」なんて思わずに是非とも考えてみて下さい。

 

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