JJCLIP12 溶連菌感染症に用いるべき抗菌薬とは?A

更新日時 2017/08/01 0:05:40

薬剤師のジャーナルクラブ第12回

溶連菌には第三世代セフェム系?A

 

溶連菌感染症に用いるべき抗菌薬とは?A

今回は第11回の続きで引き続き溶連菌についてです。そして今回は、コクランです。
それではシナリオです。


 

あなたは小児科の処方箋を受けることの多い保険薬局の薬局長です。どうやら、溶連菌の感染症が流行しており、本日も込み合っています。あなたの薬局に今年の4月新入社員として配属された薬剤師のAさんは、だいぶ業務にも慣れて、今月から服薬指導も担当しています。午前の外来が終わり、MRさんの対応を済ませたあなたは、休憩室へ入ると、Aさんが話しかけてきました。

 

「薬局長、ちょっと質問よろしいでしょうか!岩〇先生の、抗菌薬の〇え方〇い方、という本にはA群“溶連菌は100%ペニシリンに感受性がある”と書いてありまして、溶連菌に関してはペニシリン耐性を考慮しなくて良いと思っていました。今日の溶連菌感染症の患者さん、小児ではパセトシン細粒(アモキシシリン)でしたけど、成人ではバナン錠(セフポドキシム)が出ていましたよね、あれってどうなんですかね。小児とおなじく、パセトシン錠でよいと思うのですが…。3世代セフェムって吸収も悪いし、そもそもグラム陰性菌狙いじゃないですか。理論的に考えたら余計な抗菌スペクトルもあるし、確かに服用回数は少なくて済みますが、あまり良い選択だとは思えないんですけど…」

 

確かに成人の溶連菌感染症患者さんにはバナン錠が処方されていました。投与量は400mg/日分2と添付文書上の最大用量でした。吸収が悪いとはいえバナン錠のバイオアベイラビリティは50%1)と3世代セフェムの中では良い方であり、そもそもペニシリンで10日間治療しても除菌失敗による再発が15%2) あると知っていたあなたは、成人での溶連菌感染症において、バナン錠での治療効果がペニシリンとくらべてどの程度差があるものなのか、Aさんと一緒にClin Infect Dis. 2004 Jun 1;38(11):1526-34. Epub 2004 May 11. PMID: 15156437を読んだところ、結局のところ、どちらが良いのか結論が出ませんでした。

 

このテーマは2人で共有するだけではもったいないと思い、Aさんは5店舗が集まるエリア会議の中で時間を少しもらい、このテーマに関するもう一つの論文を複数の薬剤師とともに読んでみながら、溶連菌治療に用いる抗菌薬はいったいどれを用いることが妥当なのか、議論してみることにしました

 

1)バナンR錠インタビューフォーム

2)感染症レジデントマニュアル 第2版(2013医学書院)

平成26年度第5回薬剤師のジャーナルクラブの開催のお知らせより引用

 

それでは今回の疑問を定式化していきます。
(前回と同じですが)

 

P 溶連菌感染症患者に対して

 

E 第三世代セフェム系抗菌薬の投与が

 

C ペニシリン系抗菌薬の投与に比べて

 

O 治療効果に差があるのか?

 

今回はコクランです。まぁ有名なやつです。
このコクラン共同計画を作った、アーチーコクランとEBMの父デイビッド・サケット。
とりあえず、有名な人なんです、アーチーコクランについてはどっかで紹介したいと思いますが、今回のお題論文です。
Different antibiotic treatments for group A streptococcal pharyngitis. - PubMed - NCBI
このとき使ったものより新しいバージョンがでています、しかしフルテキストでは読めないです(涙)

 

P どんな人に

 

 

E どんな介入を

 

 

C 何と比較して

 

 

O どんな項目で評価

 

 

T 試験デザイン等

 
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