あなたがくすりを飲んだほうがいいかは薬学じゃ分からない

更新日時 2018/02/15 22:37:12

 

 

えっ?!って思う方もいるかもしれませんが、薬の効果がある=飲んだほうがいい
ではありません!!
というわけで、今回はさらに後半パートを用意しています。

 

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すこし解説していきます。

 

今回の4コマで使用した文献について

今回の4コマのなかで使用した文献データはSHEPと呼ばれるもので、収縮期血圧いわゆる上の血圧が高い方を対象に血圧をさげることが有用かどうかを調べた最初の研究になります。

 

SHEPの概要

P:60歳以上の収縮期血圧が160〜219mmHgかつ拡張期血圧が90mmHg未満の4736人

 

E:利尿薬での治療群(2365人)

 

C:プラセボ群(2371人)

 

O:致死的、非致死的脳卒中の発生

 

研究デザイン:二重盲検ランダム化比較試験
観察期間:平均4.5年

 

結果
評価項目 利尿薬群 プラセボ群 相対リスク
脳卒中 5.2% 8.2% 0.64
収縮期血圧 143mmHg 155mmHg  
拡張期血圧 68mmHg 72mmHg  

さらに副次的評価項目、非致死性心筋梗塞(MI)および冠動脈死の相対リスクは0.73,主要な心血管疾患発症は0.68,全死亡では0.87。

 

原著が読めなかったので、こちらを参考にさせていただきました。
SHEP_循環器トライアルデータベース

 
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このSHEPの結果を考えてみる。

上記の結果、どう思いますか?
このデータをそのまま日本の現状に使用するのは、問題があるかもしれませんがとりあえずこのまま考えてみます。

 

5年間、血圧の薬をきちんと服用することで、脳卒中を起こす確率が8%から5%へ減ります。

 

あとこのSHEPのデータでは

 

1カ月服用することで余命が1日延びる

 

もちろん、この余命が延びるというのはあくまで平均したものですから、飲んだ人全員の余命がのびるわけではない。
ジャンボ宝くじ(300円)を1枚買った時の期待値は150円みたいなのと同じです。

 

 

はい、データは出そろってきましたが、どうでしょうか?
もしあなたが患者だったらくすりを飲みたいと思うでしょうか?

 

ちなみにこのSHEPという研究は、高血圧治療の歴史を変えた研究なのですが、2016年の12月に薬ゼミの研修会で医師の名郷先生が薬剤師向けにこのSHEPのデータを提示して、治療を受けたいと思うか?という質問をしたのですが会場の半数以上の薬剤師が

 

受けたいと思わない

 

という回答をしていました…
これには名郷先生も苦笑いでした(これより後に出されるデータはもっと有効性が乏しいためw)

 

すこし余談が入ってしまいましたが、正直こんなの薬剤師でも意見が分かれるのにどんな患者からわからないのに飲んだほうがいいかなんてアドバイスできないと思いませんか?
どんな患者か分からずにアドバイスをするとしたら、あくまで一般論で、治療したほうがいいですになると思います。

 

あなたが物語のなかにでてくる名前もない一般のキャラクターなら一般論をあてはめてもいいかもしれません。
ただ違いますよね?あなたは不特定多数な一般ではなく、ひとりの人ですよね?
なので、あなたにカスタマイズした情報をうけたいと思うなら、是非我々医療者に、色々教えて下さい。
いや、教えてくれなくても、聞かれたら嫌がらず答えて欲しいです。よろしくお願いします。

 

 

ちょっとまとまりのない文章で申し訳ないですが、有名な医師の名言いって終わりにしようと思います。

 

どんな病気にかかっているかではなく、どんな患者がかかったか、ということのほうが重要である。

 

ウィリアム・オスラー

 

↑この名言は、プライマリ・ケア ポケットレファランスより引用しました。
ちなみに、この書籍は小さいのでかばんにいれて持ち歩いています。

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