塩野義の抗インフルエンザ薬、ゾフルーザの実力は?

更新日時 2018/02/21 23:55:21

 

1回飲むだけの終わり?期待の抗インフルエンザ薬

2018年5月に塩野義から1回飲むだけで終わりの抗インフルエンザ薬、ゾフルーザが発売されるようなので、現時点でわかっていることについて薬剤師目線でまとめてみようと思います。

 

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既存の抗インフルエンザ薬について

現時点で発売されている抗インフルエンザ薬は下記の4つになります。
(アマンタジンというインフルエンザA型に効くというくすりもありましたが、最近は耐性化が進み、医療現場で使用されていないため紹介しておりません)

 
タミフルカプセル、タミフルドライシロップ

インフルエンザの内服はタミフルのみです、1日2回、5日間の服用が必要です。
タミフルに関しては、2007年に緊急安全性情報(通称:イエローレター)がでて報道なので異常行動について、かなり多く取り沙汰されたため怖いという印象をいまだにもっている患者さんも多いですよね…
ちなみに現時点では、タミフルによる異常行動ではなくインフルエンザ時による異常行動であるという見解が一般的になっています。
(それでも添付文書上の10代原則禁忌の記載がなくならないので、モヤモヤしますが…)

 

リレンザ

吸入薬です、1日2回、5日間の吸入が必要です。
上記のタミフル同様、世界各国で使用されています。
注意点は、乳糖を添加しているので乳アレルギーのかたと、喘息などの呼吸器疾患があるかたはリレンザ吸入後に気管支攣縮(喘息症状、呼吸機能の低下)が起こりうるので注意です。
わたしの薬局では、門前の医師には気管支喘息のかたにはタミフル使って下さいと事前に根回ししてあります。

 

イナビル

国産の抗インフルエンザ薬です、1回吸入すれば治療は終わりという簡便さがうりです。
(国産とあえて表示した深い意味はないです、MRは国産をセールスポイントにしていましたが…)
簡便さがウリといいましたが薬剤師的には、薬局内で吸入してもらうことが多いので今年のように大流行すると、説明が大変になってきます。
注意点は、上記のリレンザ同様で、乳アレルギーと呼吸器疾患ですね。
あと余談ですが、イナビルはアメリカでは承認されていません…残念ながら、有効性が認められませんでした。。。

 

ラピアクタ

点滴の抗インフルエンザ薬で1回点滴で終わりです、薬局勤務のわたくしにはあまり縁のないお薬です。
わたくしの友人(梨屋)の話ですがインフルエンザにかかったときに開業医の先生から、インフルエンザの薬はどれがいい?と聞かれ、「一番楽な点滴がいい」と答えたそうなのですが、普通点滴選びますかね(汗)

 

…と無駄な話も多かったですが、ざっくりと現時点での抗インフルエンザ薬はこんな感じです。

 

ゾフルーザの実力はいかに?

では今度発売されるゾフルーザはというと…

 

1回40〜80mgの服用でOK

 

1錠20mgっぽいので、1回に2錠もしくは4錠の服用すればOKって感じですかね。

 

これは我々、薬剤師からすると説明に時間がからず楽ですね。

 

 

1回飲むだけなので簡便

 

では続いて、有効性はどうなのか?
既存薬より期待できるのだろうか調べてみようと思います。
日本での承認試験に使ったCAPSTONE-1 試験を簡単に要約すると…

 

P どんな人に
健康なインフルエンザ患者1494人

 

E どんな介入を
ゾフルーザ1回40〜80mgの投与

 

C 何と比較して
タミフルカプセルの投与(5日間)、プラセボ

 

O どんな項目で評価
罹病期間

 

T 試験デザイン等
多施設、二重盲検、ランダム化比較試験

 

で、結果はと言うと…

 

プラセボには優越性をしめしたが、タミフルとは有意差はなし

 

えっ、ニュース記事ではなんかタミフルより良かったみたいな印象もったんだけど?という方もいるかと思いますが、あれはメインで調べたことではなくて一緒についでだから、こんなことも調べておこうというものに差が出たんですね。

 

ちなみにこのついでに調べようと思った項目は…20個

 

なので、ニュース記事などで騒がれているタミフルよりウイルス力価が〜ってのは、ついでに調べた20個のなかでいい結果がでたものをオープンにして、ゾフルーザに対してすごい薬だという印象を持たせようとしてるのかもしれないですよね
(塩野義製薬のマーケティングのひとつかも?)

 

 

つづいて安全性ですが、上記の研究での有害事象はタミフルと同等でした。

 

ただ以前、3の法則と治験の5Toosというのを書いたのですが、ゾフルーザは既存の薬と比較して大丈夫と言えるだけの根拠はありません。
(参考記事:知っておいてほしい3の法則
上記で取り上げた研究の中でも、
喘息患者や、老人ホームの方、糖尿病患者などは治験参加者からは除外されています。

 

このあたりのリスクが高い人を対象としたCAPSTONE-2試験も現在進行中なようなので、こちらの結果が重要かなと思います。

 

 

まとめ

現時点では、健常人に対してゾフルーザが特効薬や夢の新薬になれるとは思えない

 

現時点で分かっていることは、プラセボよりは罹病期間を短縮するが、タミフルとは有意な差はないということだけだからね〜
またウイルス力価の低下が臨床的にどのような意味があるのかも不明である。

 

 

ただ…服薬指導が楽になるのはありがたいから、期待はしている、マジで!!

 
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